最近、7日間本の表紙をアップする ”ブックカバーチャレンジ” というのが流行っていますよね。
私にもFacebookで回ってきまして、写真集を7冊紹介しました。せっかくなのでこちらでもそれをご紹介しようと思います。
ちなみに、現在の私の写真集専用スペースはこんな感じです。
引越しの度に人にあげて減らしてきたので、現在はこれだけです。
本当は右のスペース内に納めたい!
でも今持っているのはお気に入りばかりなのでもう減らせない・・。
なのでせめて買わないように頑張っています。
特に好きな7冊がこちら
「Self Portrait」Lee Friedlander
かれこれ20年敬愛している写真家 リー・フリードランダーの写真集。
なんてことない風景ばかりなのに、ユーモラスでちょっと引っかかる写真を撮る人です。
そして写真バカ!巨匠に対して失礼かもですが💦
この写真集は文字通りセルフポートレートだらけの写真集です。
ガラスに映り込む自分、道路や人に映り込む自分の影、鏡越しの自分など。顔がはっきり見えないものも多いです。
セルフポートレートで1冊作れるって相当(の量を撮っている)だと思います。
そして自分以外に写っている風景や構図が面白くて、スナップとしても楽しく見れます。
「好きなものを好きに撮ればいいんだよ」と言ってくれている気がして、考えすぎてしまう時に開くことが多い写真集です。
Lee Friedlander: Self Portrait
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「入り口」 伊藤之一
1年近くに渡り、東京湾をいろいろな場所から撮っている写真集です。写っているのは水平線。そして時間や天候で変わる海と空。
シンプルな構図と柔らかい色が美しい、いつまでも見ていられるような写真ばかりです。
これを購入したのは15年ほど前。メディア図書館で一目惚れして取り寄せました。
作者についての説明は生まれた年と場所のみ。名前もローマ字表記しかなく、謎めいていました。
どんな作家さんなのか知らないまま数年が経ち、自分も撮影業をするようになってから、それが広告写真の第一線で活躍されている伊藤之一さんだと知り・・とても驚いたのを覚えています。
あれだけ活躍しながら写真集や展示も精力的にされているのが凄すぎます。
この写真集は特に装丁から紙質、シンプルな情報量も含め世界観が大好きな写真集。ぜひ実際に見てほしいです。
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「Uncommon Places」Stephen Shore
これは人気がある写真集です。
主に1970年代に大判カメラで撮られたアメリカの風景や静物、人物が写っています。
旅をしている気分になれるロードムービーのような写真たちです。駐車場や道路が好きな私にはツボな景色ばかり!
特になんてことない景色を自然な目線で撮っている感じが好きなんですよね。お洒落にしてやろうとかそういう計算がない、ただただ景色を感じてまっすぐシャッターを押している感じ。
だけど写っているものがとてもお洒落に見えるのは異国、そして年代のせいでしょうか。
大判の写真は空気まで閉じ込めると言いますか、湿気やカラッとした暑さまで伝わって来るようかのよう。
今は旅に出られないので、こういう写真集を見ると特に癒されます。
Stephen Shore: Uncommon Places: The Complete Works
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「4月25日橋」 内藤さゆり
これは今までで唯一ジャケ買いした写真集です。
なぜなら私の誕生日だから(笑)
4月25日橋って何?って感じだと思うんですが、リスボンとテージョ川対岸のアルマダという場所を結ぶ、長さ2,277 mの吊り橋です(Wiki調べ)。1974年にポルトガルで発生した軍事クーデターが終結したのが1974年4月25日だったそうで、そこから名前を取ってこう呼ばれています。
肝心の中身ですが、光の捉え方が素敵で良い写真ばかり。すぐにお気に入りの写真集になりました。
さりげなくてまるでこの街に住んでいるかのような、そんな日常的な写真たちです。気負いのなさが良いし、女性ならではの視点と柔らかさだなぁと思っています。
表紙の写真とピンクの文字&ラインの合わせも好きです。
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「Traffic Projects」Hans-Christian Schink
ドイツ出身の写真家ハンス=クリスティアン・シンクが1990年代半ばから “ドイツ統一交通プロジェクト”をテーマに撮影したシリーズです。
写っているのは高速道路や橋、鉄道など。それらが建造、 改修され、変貌していった東ドイツの景観を収めています。
建築写真と風景写真の間みたいな、とても重厚感のある大判写真です。
どこまでも誰もいない色味の少ない風景。静寂の中で語りかけてくるような物の存在感。かっこいいし美しいんですよね〜。
そしてドイツ人写真家の真面目というか神経質な感じの撮り方がやっぱり好きです(笑)
しかしドイツの風景写真を見ると私の故郷の道東の気候と似ているのでは?といつも思います。曇りが多く、草原が多く、色味が少ない感じ。
いつか行って確かめてみたいです。
Hans-christian Schink verkehrsprojekte Deutsche Einheit: Traffic Projects German Unity
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「Hysteric Twelve」 深瀬昌久
ファッションブランドのヒステリックグラマーが2001年から5年間16冊の写真集を出していて、そのうちの1冊がこれです。ファッションブランド発行の写真集だけあってかっこいいですよね。
深瀬さんの写真は一言で言うと「不穏」。
何かが起きる前のような、不吉とも言える雰囲気を持っています。好きなタイプの写真ではないはず・・なのですが、気になるし目が釘付けになるんですよね。
この写真集は「歩く眼」というシリーズを編集したもので、写っているのは日常的なモノクロスナップです。
「ただの風景がどうしてこんな風に写るのかねぇ?」と思ってしまう、不思議な引力を持つ写真ばかり。他のシリーズよりライトなので、写真に馴染みがない人にもオススメできます👍
階段から落ちる事故で重度の障害を負い、以降20年間写真を撮ることはなく2012年に亡くなってしまいましたが・・そのエピソードも含めずっと語り継がれる伝説の写真家だと思います。
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「TAKEO KIKUCHI COLLECTION ’83-’84」植田正治
これはファッションブランドのカタログですが、クオリティ的には写真集と言って良いはず。数年前に鳥取県にある植田正治美術館で購入しました。
TAKEO KIKUCHIの服を纏ったモデルを鳥取砂丘で撮っているのですが、とにかくオシャレ。1枚1枚額に入れて飾りたいくらいです。
植田さんの写真は詩的でモダンで大好きです。余白の撮り方や距離感、シンプルさ。真似したいと思いつつなかなかできないんですよね〜!これが。
長年スナップなどの作品活動で知られて来ましたが、晩年に奥さんを亡くされ、落ち込んでいたところにアートディレクターの息子さんが声をかけ、広告の世界に足を踏み入れたそうです。
このカタログも69~70歳の時に撮影されたもの。息子さんがディレクションをされています。
鳥取にいながら世界に作品が知られるようになったのも、晩年に新たなジャンルで更に有名になったのも、なんだか今時な生き方じゃないですか?
写真だけでなくそういった生き方や時代を超えるセンスも含めて、超絶かっこいい写真家だと思っています。
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以上、長くなってしまいましたがお気にりの7冊でした!
「写真集ってどう探せば良いのかわからない」という声を聞くので、参考にしてもらえたら嬉しいです。
よく「写真家の写真は難しい」とか「展示もどう見ていいのかわからない」と言う人がいますが、わかろうとしなくて良いと思います。
自分がどう思うかが大事で「わからない」でも「嫌い」でも良くて。
それを積み重ねて行くと、自分なりの見方ができるようになるはずです。
私はかの有名な森山大道氏の写真の良さがわかるまで5年くらいかかりました。周りがどれだけ良いと言っていても「わからん」と思っていたのですが、ある写真展を見て急にわかったんです!自分の中で噛み砕けたと言いますか。
だから背伸びせず、評論家の解説を聞いてわかった風にならずに(笑)自分の感覚を大事にするのが良いと思います。
な〜んて、たまには元ギャラリースタッフっぽいことを言ってみました😜
自由に写真を楽しんじゃってください!
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